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034:手を繋ぐ
(鋼 ハボック×ロイ)
昔から冷え性だった。 よくヒューズに手を握られるたびに「うわっ、ロイ…おまえ手冷たいなぁ…」言われていた。 自分の手が冷たいと言うことに違和感を感じなかったが、 ハボックと上司部下以上の関係になってから時々思い知らされる。 自分はどうしてこんなにハボックの温もりを求めてしまうのか。 一人で居るときの寒さを忘れてしまったかのように、ハボックの温もりが欲しくなる。 いわば暖房器具。 きっともう私はハボックなしでは生きられないかもしれない。 大げさだ!と鋼のに言われそうな気がした。 ヒューズには腹から大笑いされて「ロイたん乙女ー!」と言われそうな気がした。 ハボックには… たぶん言えない。 「うわっ…大佐…手冷たすぎッスよ!」 エルリック兄弟を駅まで見送った後、私とハボックは電車のホームへ向かっている。 「…別に普通だ」 「普通じゃないッスよ!ほら!手かして下さい。俺の手必要以上に暖かいから。」 そういうと、いつものように互いの手を絡める。 ――――――暖かい… 「……暖房器具でもいいかも」 「うん?何か言ったッスか?大佐?」 「いや、何でもない。」 一家に一台は必需品の暖房器具。 さしずめ私にとってハボックは必需品の暖房器具。 それでいいかもしれない。 |
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