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073:煙
(鋼 ハボック×ロイ)




ゴホッゴホッ

室内に溢れる煙に耐えきれなかったのか、ロイの咳払いが聞こえる。
毎日のようにハボックが煙をぷかぷか噴かしていて平気なはずなのに。


「すんません、大佐。大丈夫ッスか?」
「う、すまん。ちょっと喚起してくれないか?」


そういうとハボックは室内の窓をこれでもかと言うくらい開けていった。
本当にどうしたというのだろう?いつもは咳払いもうんともすんともしなかったと言うのに。
身体の調子でも悪いのかと思い大佐に近づいておでこを重ねて見ても熱があるようには思えなかった。


「体調が悪いのでは無いみたいですね…」
「う、うむ」


急にハボックにおでこを重ねられて恥ずかしいのかほんのり赤く頬が染まっているロイが愛らしい。
と…そんなことで耽っている場合じゃない!
もしかしたら、今までも煙を我慢し続けていて、それが発作のように現れてしまったのではないかと心底不安になる。


「大佐…もしかし…」


ハボックが問いかけている間に「ハボック!」とロイが即座に間に入る。


「お前、煙草の銘柄変えたのか?」


なんて事言うから吃驚した。
煙草の銘柄…?はて…?オレはいつも通り同じ銘柄を吸って…?


「あーーーーーー!」


いなかった。
ロイの言うとおり、オレが吸っていた銘柄はいつも購入している煙草とは違ったやつだった。
今まで気付かなかったなんて…。


「よくわかりましたね?」
「当然だ!毎日お前の煙をこれでもかと言うくらい共にしてるからな。いつもより煙のにおいが違うからおかしいと思ったんだ」
「…愛されちゃってます?もしかして?」
「バカモン!」


べしっ、っとロイが投げた紙くずがハボックの頭にクリーンヒットした。
まさか愛しの恋人がオレの吸っている銘柄の煙を覚えてくれていたなんて…なおかつ、自分では気付かなかったのに気付いてくれていたなんて…そんなことを思うと自然に笑みがこぼれる。


「愛してますよ、ロイ」
「仕事中だ!」


べしっ、と再び二発目が当たる。

そんな二人のやりとりをしている所にリザからの痛い一言。



「大佐、その書類後で大総統に回すモノなのできちんと綺麗にしておいてくださいね。」


とたんにハボックに投げた紙くずを拾いに行って、必死に紙をのばしている上司の姿が可愛いかった。



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